muranakaromanのブログ

ドラマー村中♪ろまん♪

脇道31

1996年32歳の頃。


レース形式の走行会に連続参戦して3年目、第二戦の日は7月なのにとても暑かった。


朝のフリー走行終了時に見つかった「ガソリン漏れ」のトラブル対処に手間取り、クルマの下に潜り込んだまま汗ダクのワタクシ。
このままでは予選に間に合わない!と思ったその時、隣のピットで見ていた「知らない人」が黙ってワタクシのハチロクの下に潜り込んできた。

 

色々見て触って…
「ここのネジ穴がダメなんですね?」
そう言うとまた自分のピットに戻り、工具箱を持ってきて
「このネジに替えてみたら合いません?」
とひと回り大きなボルトを出してきてくれた。


もう一度書くが、この人はチームも別の全然知らない人。
シビッククラスとその他FFクラスが同時に予選タイムを計測しているこの時間帯にピットに居るって事は、たぶんハチロククラスのドライバーであろう。
彼からすればワタクシは、言わばライバル…「敵」である(もっともワタクシのようなノーマルエンジンのビリッケツ野郎は眼中には無かったのかも知れないが^_^;)


そんなケツ野郎(おい!)に、さも当然のように手を貸してくれた彼。
彼のおかげで応急処置を終えたガソリンタンクは無事に元の位置に取り付け完了。
間に合った!!!


彼もワタクシも急いでそれぞれのクルマに乗り込み、ハチロククラスの予選が始まった。


予選結果はワタクシが13台中11番手、手伝ってくれた彼は真ん中あたりの6~7番手だったように記憶している。


ピットに戻り、改めて隣の彼に礼を言うと「お礼なんていりませんよ、困った時はお互い様ですから」とジェントルマンな言葉。


「これが『レース仲間』ってヤツなんやなぁ(T0T)」と感激していると、決勝のスタートの時間が近付いてきた。


後ろから3番目の位置につけ、スタートする。
前を走るライバル達はチューニングエンジンをブン回してみるみる離れていく。
なんとか付いて行こうと頑張るワタクシ。


だがコーナーを曲がるたびにエンジンの回転が乱れる。
ストレートでは問題ない。
いわゆる「ガス欠症状」であった。
もちろんレーススタート前に普段より少し多めに燃料は入れてある。


「やっぱりガソリンが漏れているのか」


ワタクシの後ろに2台走っているし、最悪「火が着く」事も考えられたので、そのままピットイン。


ピットに戻ってガソリンタンクを見ると、漏れてはいないが滲んでいる状態。
この日はそのままリタイヤとなった。


残念だが次回までに修理しよう。
その「次回」が『えらい事』になるのをまだ知らずにつぶやくワタクシであった。

 

 


続く☆