muranakaromanのブログ

ドラマー村中♪ろまん♪

我に帰る瞬間

 

どれぐらい前の事だったのだろう。

 

 

 

 

「そろそろ起きや、あと1時間以内に下船しろってアナウンスあったで」

 

ギターの戸田さんに起こされたワタクシ。

頭がボーっとしている。

 

「昨夜の打ち上げで、調子に乗ってビール飲んだせいやな。打ち上げ会場からバンド控え室に戻って寝た記憶がないわ…コップ一杯やったんやけどなぁ」

そう思いながら起き上がり、着替えようとしたが着替えを入れたキャリーバッグが無い。

 

「あれ?どこに置いたかな?…そう言えばバンド控え室は狭いからってどっか別の所にまとめて置かせてもらったんやったっけ?」

 

寝起きと二日酔い(?)で頭が回らない。

 

客室スタッフの人に尋ねようにも、もう着岸するようで忙しそうだ。

 

「ほな先に下りて駐車場のクルマで待ってるわ」

焦るワタクシを残して戸田さん始め他のメンバーは船を下りていった。

 

船の中をウロウロしていると、鍵どころか扉さえない物置きのようなスペースにワタクシのキャリーバッグがあった。

そしてその横に置かれている物を見て体が凍りついた。

 

 

空のドラムケースだ!

 

見慣れた自分のケースがここにあると言う事は、昨夜の演奏で使ったドラムセットは、まだバラさずにステージにあるはず。

 

さっき船内アナウンスで「下船されるお客様はお急ぎください。続けて上船される別のお客様がお待ちです」とか言っていた。

 

つまり、グズグズしていると「下りられずに船が出港する」って事だ!

 

出港の時間までに、一人でドラムセットをバラしケースに入れ船から下りられるのか?

 

考えている場合では無い。

 

とにかくキャリーバッグと空のドラムケースを台車に乗せる。

すでに汗ダクだ。

汗を拭く間も惜しんで豪華客船の廊下を台車を押して走った。

 

昨夜演奏したはずなのに、どこがステージかわからない。

記憶があやふやだ。

「どんだけ酒弱いねん、俺!」

自分にツッコみながら赤いカーペットの上を走る。

 

それらしい「ホールっぽい扉」が見えた。

 

その扉を開けてステージ上のドラムセットを見た時に我に帰った。

 

 

 

『そやろな、変やと思ってん!』

 

 

 

ここでようやく自分が「夢の中」だと気付いた。

 

ステージ上のドラムセットの色が「赤」だったのだ。

 

ワタクシは自分のドラムを3セット持っているが、赤いドラムは一つも無い。

 

 

 

そもそも「船酔い」するワタクシが、豪華客船の演奏をOKするハズもない。

 

楽器の事に気が回る戸田さんが、ドラムセットを片付けてないワタクシを残して、先に下船するハズもない。

 

 

 

…どうせなら「演奏してる最中」の夢をみたかったと思った今日の朝だった。

 

起きた時、結構ドキドキしてたぞ(^_^;)

 

 

 

ではまた☆