1993年29歳の頃。
ほぼノーマルのハチロクで「初めてのおつかい」ならぬ、初めての走行会。
岡山県の中山サーキットで、フリー走行を散々なペースで終えたワタクシ。
ショップのニイチャンに教えてもらった『各コーナーの進入ギア』をタイム計測(なぜか他の参加者は「予選」と言っていた)が始まるまでに覚えようと四苦八苦していた。
そこへショップのトップメカニック「Kさん」が来た。
K「何してんの?ぼちぼちハチロクの予選始まるで」
ワ「あ、さっき別のスタッフの人に進入ギアを教えてもろて、それを覚えてたんです」
K「そんなん、覚えんでもええって!ハチロクなら『上のヘの字』以外は全部2速でええねん」
ワ「そうなんですか?!」
K「そうそう!それでその時の感じで『ここはもう一つ上のギアの方がええな』って思ったら次の周は3速で入ったらええだけやし」
とても気持ちが楽になったワタクシ。
その後のタイム計測は、そこそこ自分が思うような走りが出来た。
だが「楽になった気持ちと進入ギアの虎の巻」だけでラップタイムが格段によくなる訳は無く・・・。
結果は予想通りの最下位(^_^;)
次の模擬レースはタイムが速い順に並ぶそうなので、最後尾スタート。
そして最後の走行時間帯。
タイム計測の事を「予選」と呼んでいた周りの参加者が、誰一人「模擬レース」とは言わずに「決勝」と言っていた模擬レースが始まる。
まずはハチロク以外のクラスから。
トップはCR-Xだったかな?
周りの人が「あのクルマは『N2(エヌツー)』やからズルい」とか言ってたが、その時は意味がわからなかった。
そしていよいよ我々ハチロククラスの模擬レース。
タイム順にスターティンググリッドに並ぶ各車。
ワタクシも最後尾の位置につく。
総勢20台ほどが並んでいるので、ワタクシの位置からスタートラインまでかなり遠く感じた。
「スタートの合図は大将(ショップの社長の事)が日の丸を振り下ろすから、そのタイミングでスタートしてください。フライングは即失格です!」
そう言われて整列の為にコース上に居たスタッフさんがピットロードまで戻ると、みんな一斉にレーシング(空吹かし)を始める。
『ブオォォン!ブオォォン!』
ワタクシのような「街乗り」ではない本気のレーシングカーの排気音は凄まじく、心臓がバクバクする。
自分も無意味に空吹かしをして気分はシルバーストーンサーキットのスターティンググリッドでブルーシグナルを待つマリオアンドレッティーである(さらに古いな)
ショップの社長さんが日の丸を振り下ろす。
全車一斉にスタート!
ワタクシもクラッチを繋ぎ全速力で…「モォォォ~」あれ?
サイドブレーキをおろし忘れていた!
前回も書いたが、中山サーキットは高低差が激しい。
スターティンググリッド付近は緩やかな登り坂なので、停まってアクセルをあおっている時はサイドを引いてないと後ろへ下がってしまうのである。
『絵に描いたようなド素人』の初レース、まだ1ミリも動いておりません(笑)
続く☆